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矯正歯科について

矯正歯科の専門知識が乏しい一般の方にとっては、たくさんある矯正歯科医院の中から自分に合ったクリニックを見つけるのは難しいと思います。自費診療でなおかつ長期にわたる治療であることから、多くの人が金額と通院期間を重視して考えてしまいがちです。当院では、以前矯正治療を受けたが、数年して再度矯正が必要な状態になった患者も多く訪れます。高校生の患者さんの中には、子どもの頃に矯正をしたのにもかかわらず永久歯が生えそろって再び矯正をしなければならなくなったというケースが多く、気の毒に思います。矯正をまた一からしなければならないというのは、子どもの頃にかけた時間もお金も無駄になってしまうとも考えられますから。学術的には、小児矯正という言葉はありませんし、乳歯だけで矯正が完結するとは言えません。大人の歯が生えそろった時にしっかり噛めるということが、本来の矯正のゴールです。矯正歯科を選ぶ際は、そこをしっかり認識した上で選んでほしいと思います。「簡単に治せるなら、短期間で終わるなら、ではなく、歯列矯正とは本来どのような治療なのか、そこを理解した上で臨んでほしい」と思っています。

Q矯正を始める時期っていつ頃がいいの?
A患者さんの中には、かかりつけの歯科医院で「そろそろ始めたほうがいいんじゃないですか」と言われて相談に来られる方もいらっしゃいます。始める時期というのも迷うと思いますが、先生に勧められたから、みんながやっているから、ではなく、もしかしたら転勤や引っ越しがあるかもしれないし、高校生になっても通えるのか、習い事はどうするのか、本人がやりたがっているのかなど、家族できちんと話し合った上で治療の見通しが立ってからでもいいと思います。受け口や歯が出ている、骨格的に顎が曲がっているといった状態でなければ、前歯4本が生えそろうまで様子を見てからでもよいかと思います。
Q小さい頃に矯正を始めるメリットは?
Aワイヤーやマウスピース型装置など矯正装置にもいろいろな種類があり、その選択の幅が広がるというのが、大きなメリットです。歯を抜かずに行うことも、大人では無理でも、小児の時期であれば対応できることがあります。また、ワイヤー矯正は歯磨きが大変なので、歯科医師としてはできるだけその時期を短くしたいと考えるのですが、小児から始めればワイヤーの時期を短くすることも可能です。また、骨格的な調整も成長期だからこそできること。骨格調整できない成人の場合は、ずれた土台に合わせて歯を動かしていくことになりますが、成長期のお子さんは、骨格を調整しながら、大人の歯がしっかり並ぶ土台をつくっていくことが可能です。
Qマウスピース型装置での矯正のメリット&デメリットは?
Aどの矯正法にも一長一短がありますが、マウスピース型装置を使った矯正メリットは、目立たないということや歯磨きがしやすいことですね。デメリットは、装置を1日22時間装着しないといけないので、規則正しい生活の方でないと難しいということ。ライフスタイルが大きく関係する矯正といえます。精度に関して言えば、例えば10が理想的な矯正だとすると、ミリ単位で歯を動かすことができないマウスピース型装置は9までしかできないことも。仕上がりに完璧を求めないというのであれば、マウスピース型装置を使った矯正でもいいでしょう。この矯正法に特化した歯科医院もあるので、そちらのほうがいいと判断した場合はご紹介しています。
Q通院期間や金額を優先して選んでも大丈夫?
A子育て中のお母さんから「3歳から小児矯正をしたから乳歯の時期で終わったわ」というような話を聞くことがあるかもしれませんが、正しい矯正をした場合、小児の時期だけで完了するというのはあり得ないと考えています。もし治ったとしたら、それはその子の成長の中で自然に治った可能性が高いと思います。通院期間は個人差もありますが、小さい頃から始めたからといって早く終わるわけではないことは知っておいてほしいです。金額の目安としては、大学病院を目安にして考えるといいでしょう。極端に早いとか安いという矯正はありません。悩んだときは大学病院で相談するのも一つの方法です。
Q保険できる矯正ってあるの?
A歯科矯正治療は基本的に保険適用外ですが、下記の「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療、ならびに顎の外科手術を要する顎変形症の手術前、手術後の矯正歯科治療、および前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするもの)に限り保険診療の対象となります。 詳しくは当院へご相談ください。

日本矯正歯科学会
矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは

治療の流れ

STEP1
矯正初診・カウンセリング
所要時間 30分~60分
歯並びについて気になるところ、そしてどこを治したいと希望しているかについて伺い、その部分における治療の可否についておおよその判断をします。
また、矯正治療の概要(流れ・治療期間・通院の頻度・おおよその費用・開始時期)についてお話しします。矯正治療において疑問に思われることは遠慮なくご質問ください。
この時点で、自分に無理だと感じたときは、治療開始について考え直してください。
STEP2
精密検査(資料採得)
所要時間 約60分
>※この段階から自費治療になります
現状の歯並びを把握し、治療計画を立案するために必要な資料(歯型・歯と顔のレントゲン写真、顔と口の中の写真など)を収集します。
資料採得はおよそ30分から1時間の時間を要します。
そのため、予約を取っていただき改めて別の日に行う場合もあります。収集した資料をもとに、治療方針・使用装置を決定します。
料金表はこちら
STEP3
矯正診断と治療説明
所要時間 約60分
前回収集した資料をもとに、現在の状態、治療を行うにあたってどのような装置を使用していくか、説明します。また、期間・費用等についてもお話しします。
治療を開始する場合、利点・欠点を十分にご理解ください。
また、この時点で自分には無理だと感じたときには、治療開始を考え直してください。
STEP4
治療開始(動的治療)
通院頻度 月1回
本人および家族の方が十分納得した上で、ようやく矯正治療が始まります。
治療間隔は月1回程度の通院で、治療期間が非常に長いです。
最後まで根気よく通院してください。また、矯正治療以外の治療が必要になる場合もあります。(歯磨き指導・虫歯治療・抜歯など)
STEP5
静的治療(保定治療) → 治療終了
通院頻度 3ヶ月~半年に1回
動かした歯は「後戻り」といって元に戻ろうとします。
そのため、元に戻らない ようにするために保定装置を使用し安定させる期間を設けます。
内容としては、 装置を装着する、もしくは使用するだけですが立派な治療期間です。
安定しているか経過を観察する期間なので通院頻度は減りますが、数年の期間を必要とすることも あります。

料金のご案内 (税抜価格)

資料採得/診断料30,000円

歯の型、レントゲン、口の写真、顔の写真、およびその他
必要と考えられる精密検査など、診断のための費用すべて含みます。

矯正料金40~120万円

矯正治療の難易度、期間、使用装置によりにより異なります。
診断が終わった時に正確な金額をお知らせします。
※原則治療中の追加料金は一切ありません

処置・管理料金4,000~6,000円

矯正装置の調整料、処置料です。

※矯正治療は一定の条件を満たせば、医療費控除の対象になります